RAID コントローラバッテリ

一部の RAID コントローラにはバッテリが使用されています。コントローラにバッテリがあると、Storage Management ではツリー表示のコントローラオブジェクトにバッテリが表示されます。

停電が起きた場合、コントローラバッテリは揮発性キャッシュメモリ(SRAM)の中にあってまだディスクに書き込まれていないデータを保存できます。バッテリは、最低 24 時間のバックアップを提供するよう設計されています。

RAID コントローラをサーバーに最初にインストールする際には、バッテリを充電する必要がある可能性があります。

アラートメッセージの詳細については、Server Administrator メッセージリファレンスガイドを参照してください。

関連情報

バッテリのプロパティおよびタスク
評価サイクルの開始
バッテリの評価サイクルの遅延

バッテリのプロパティおよびタスク

このウィンドウを使用するとバッテリについての情報を表示して、バッテリのタスクを実行することができます。

バッテリのプロパティ

バッテリのツリー表示オブジェクトには、次のプロパティが含まれています。

表 11-1. バッテリのプロパティ

プロパティ

定義

状態

これらのアイコンはストレージコンポーネントの重大度、または正常性を示します。

正常/OK

警告/非重要

重要/致命的

詳細については、ストレージコンポーネントの重大度 を参照してください。

名前

このプロパティにはバッテリの名前が表示されます。

状況

このプロパティにはバッテリの現在の状況が表示されます。可能な値には次のようなものがあります。

充電中—バッテリはバッテリ評価サイクルの再充電段階に入っています。詳細については、評価サイクルの開始 を参照してください。

欠落—コントローラにバッテリが存在していません。

故障—バッテリが故障したため、交換の必要があります。

評価モード

自動—Storage Management は、設定された時間に基づいて、自動的に評価サイクルを開始します。

警告— 評価サイクルがデフォルトの 90 日間を過ぎています。

メモ:警告 はファームウェアバージョン 6.1 以降を搭載した SAS コントローラでのみ使用できます。

次の評価時間

このプロパティではコントローラファームウェアが次の評価サイクルを初期化するまで時間と日付を表示します。

最大評価遅延

このプロパティではバッテリの評価サイクルを遅延可能な最大日時数を表示します。コントローラファームウェアはバッテリの評価サイクルを自動的に開始します。一時停止または評価サイクルを停止は不可能ですが、遅延することはできます。詳細については、バッテリ評価サイクルの遅延 および 評価サイクルの開始 を参照してください。

バッテリタスク

ドロップダウンメニューのバッテリタスクの実行方法:

1 ストレージ ツリーオブジェクトを展開して、コントローラオブジェクトを表示します。
2 コントローラオブジェクトを展開します。
3 バッテリ オブジェクトを選択します。
4 使用できるタスク ドロップダウンメニューからタスクを選択します。
5 実行 をクリックします。

ドロップダウンメニューのバッテリのタスク

評価サイクルの開始
バッテリの評価サイクルの遅延

関連情報

バッテリのプロパティ

評価サイクルの開始

この機能に対応するコントローラについては、対応機能 を参照してください。

評価サイクルの開始 タスクはバッテリの評価サイクルを開始する際に使用します。

バッテリの評価サイクルはコントローラバッテリを放電してからフル充電します。

評価サイクルは、バッテリの集積回路を再測定して、コントローラはバッテリがコントローラキャッシュを停電時に指示された期間保持できるかを判断します。

評価サイクルの進行中、停電が生じるとバッテリはキャッシュを保持できない場合があります。コントローラがライトバックキャッシュポリシーを使用する場合、コントローラは、評価サイクルか完了するまでライトスルーキャッシュポリシーを変更します。ライトスルーキャッシュポリシーはディスクに直接データを書き込むので、停電が生じた場合キャッシュに書き込まれたデータの損失するリスクが減少できます。

メモ:コントローラを強制ライトバックキャッシュポリシーに設定している場合、キャッシュポリシーは評価サイクル中に変更されません。強制ライトバックキャッシュポリシーを使用する場合、評価サイクルの進行中停電が生じるとデータを損失する可能性があります。

コントローラファームウェアは、90 日ごとに評価サイクルを自動的に開始します。評価サイクルの開始時間を 7 日間は遅延させることができますが、それ以上遅延するとファームウェアが自動的に評価サイクルを開始します。詳細については、バッテリ評価サイクルの遅延 を参照してください。

メモ:バッテリの充電中は、評価サイクルを実行できません。バッテリの充電中にコントロールファームウェアまたはユーザーが評価サイクルを初期化する場合、バッテリの評価状態は要求済みを表示します。バッテリが完全に充電されると評価サイクルを開始します。

バッテリ透過的評価サイクル

PERC H710 および PERC H810 コントローラは、バッテリに十分なエネルギーが残っていることを確認するため充電量を計算する定期的な動作である、透過的評価サイクル(TLC)をサポートしています。この動作は自動的に実行され、システムまたはコントローラのパフォーマンスには影響しません。 コントローラは、90 日に一度充電容量を調整、測定するため、バッテリに対して TLC を自動的に実行します。この動作は必要に応じて、手動で行うことができます。

バッテリの評価サイクルの遅延

この機能に対応するコントローラについては、対応機能 を参照してください。

コントローラファームウェアは、90 日ごとに バッテリの評価サイクルを自動的に開始します。評価サイクルを実行しているファームウェアを停止することはできませんが、評価サイクルの開始時刻を 7 日まで遅延をすることができます。バッテリの評価サイクルの詳細については、評価サイクルの開始 を参照してください。

バッテリの評価サイクルの遅延方法:

1 日 テキストボックスに数値を入力します。値は 0~7 の範囲である必要があります。入力した数値はバッテリの評価サイクルを遅延する日数を示します。評価サイクルは、最大 7 日まで遅延できます。
2 時間 テキストボックスに数値を入力します。値は 0~23 の範囲である必要があります。入力した数値はバッテリの評価サイクルを遅延する時間を示します。
3 変更の適用 をクリックします。変更を保存せずに終了する場合は、バッテリ情報ページに戻る をクリックします。

Storage Management からこのタスクを検出するには次のようにします。

1 ストレージ ツリーオブジェクトを展開して、コントローラオブジェクトを表示します。
2 コントローラオブジェクトを展開します。
3 バッテリ オブジェクトを選択します。
4 使用できるタスク ドロップダウンメニューから 評価サイクルの遅延 を選択します。
5 実行 をクリックします。

関連情報

バッテリのプロパティおよびタスク
評価サイクルの開始